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健康と病気のおはなし

閉塞性動脈硬化症の新療法とは?


  閉塞性動脈硬化症(ASO)とは、高血圧や糖尿病、脂質異常症、喫煙などが引き金となって、足の動脈が細くなったりつまったりして、下半身の血流が悪くなる病気です。このASOの一番の原因は、悪玉(LDL)コレステロールが血管の内壁にたまるためです。患者数は、軽症を含めると数百万人と推測されています。

aso_2.gif ASOになると、足の筋肉に必要な栄養や酸素が不足するため、50~100メートル歩いただけで足にしびれや痛みが生じるようになります。これは『間欠性跛行(はこう)』と呼ばれ、ASOの初期に現れる特徴的な症状です。放置すると、安静時でも足が痛んだり、皮膚がただれたり(潰瘍という)するほか、足にできた傷から細菌が入り込んで壊死(えし:組織の一部が死ぬこと)を起こし、足の切断に追い込まれる場合もあります。

 ASOの診断には、エコー(超音波)やMRI(磁気共鳴断層撮影)などの器械による画像や、手足の血圧を同時に測ることで得られるABPI(足関節上腕血圧比)という指標が使われます。治療については、これまで薬物や外科手術が主流でしたが、10年ほど前から、血管内の悪玉コレステロールを除去する『LDLアフェレシス治療』という新療法が、広く行われるようになりました。

 アフェレシス治療とは、患者さんの血液を専用の体外循環回路に通し、悪玉コレステロールを取り除いてから患者さんの体内に戻すものです。具体的には、次のように行われます。

 まず、患者さんの血管(主に上腕)から血液を体外循環回路に流します。その血液は、いったん固体成分(血球など)と液体成分(血漿)に分離されたうえで、液体成分のみが吸着器に通され、悪玉コレステロールの取り除かれた液体成分が固体成分と合わさって、再び患者さんの別の血管に戻されて完了です。3~5リットルの液体成分が2~3時間かけて処理されます。

 アフェレシス治療は、全国の病院で行われています。症状の改善率は、間欠性跛行で80%以上、皮膚の潰瘍で70%以上、安静時の痛みやしびれで50%以上に達するとの報告があります。

aso_1.gif 治療の対象となるのは、間欠性跛行があることに加えて、薬を使っても総コレステロール値が220ミリグラム以下、または悪玉コレステロール値が140ミリグラム以下にならない人や手術の難しい位置で血管がつまっている人です。足のしびれや痛みがなくなるまで何度か受ける必要がありますが、3ヵ月間に10回の治療までは健康保険が適用されます。費用は3割負担の場合、1回あたり約6~7万円となります。たいていの場合、入院は必要ありません。

 

 

アフェレシス治療に興味のある人は、血管外科や循環器科のある病院に問い合わせてみてください。

 

あさひ病院長:金秀樹
【わかさ:2009.7月号に掲載】

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